第15回:2023年11月の一問一答①(2023年11月12日)

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目次

人間・犬・猫

先生が「牛乳は、牛の赤ちゃんの飲み物だし…」と言われていた事をお聞きした事がありますが、私は、以前、お腹が張る話を胃腸科のお医者さんにお話ししたところ、牛乳を飲む事をやめてみたら。僕もそうだったけど、牛乳やめてみたら治る。」と、言う事でした。いまだに、牛乳が好きなので飲んでますが。 先生の人間や、犬猫が牛乳を摂取する事へのお考えを伺いたいなぁと思います。

結論、必要ないです。牛乳は子牛の飲み物です🐮
美味しいですけどね。

人間でも動物でも言えることは、牛乳は下痢しやすいということです。原因はアレルギーや乳糖不耐症です。
ちなみに、乳製品は犬・猫が体質に合わない食材No.2です。(No.1は牛肉)

あと、人間の話ですが、乳製品は前立腺がんと卵巣がんのリスクを上げる可能性が示唆されています。
その一方で、ヨーグルトは糖尿病の発症率を下げるデータもあるので、乳製品の中ではヨーグルトがベストです。

なので結論、牛乳は美味しいけれど、ほどほどにしておいた方が良さそうです。

もし人間の食事が気になる方はこちらの書籍がおすすめです▼

2ヶ月半ぶりの尿石症後の尿検査の結果、前回と同じく「結晶なし、目に見えない少量の潜血あり」で腎臓エコーを受けることになったのですが、出血源は特定できるのでしょうか。新たな病気なのかとエコーの日まで不安です。

尿検査で結晶なしの結果は素晴らしいです✨

エコーで腎臓の不調が確認できたら「原因はこれかな?」ということは分かりますが、確定は難しいかもしれません。
ストルバイト+シュウ酸カルシウムのダブルパンチからここまで復活できただけで本当にすごいですよ。
不安を受け入れ、検査に臨んでくださいませ。
視座を高くして見れば着実に回復していると思います👍

猫ちゃんの口腔内環境を整える為のプロバイオティクスを探してます。歯磨きオヤツを好まず歯磨きはできずでせめて口腔内の環境だけでも整っていたら良いかと。効果があるかは解りませんが購入時の目安になるものなどありましたら教えてください。

購入時の目安は2つです。
①マーケティング臭が強すぎないこと
②動物病院のHPでも紹介されていること

マーケティング臭については過去動画「カナガンの売り方を分析」を観れば大体分かるようになります。

動物病院のHPはこんな感じで検索すれば出てきますね。

4歳の猫ちゃんのMIXです。以前腎臓の数値が少し悪い時とストルバイト尿石時にあげていたロイヤルカナンの腎臓サポートフィッシュテイストのウェットとヒルズの尿ケアc/dマルチケアシーフードの156gの方の缶が残ってますが、健康体になった今も残りあげても大丈夫ですか?ウェットの方は12袋、缶は3缶です。

大きい声では言えませんが、私ならあげちゃいます。

「療法食は治療薬と同じ部類」ということを分かった上で使うなら良いのではないでしょうか。
金銭的に勿体無いですし、商品的にも超長期でなければ問題ないと思います👍

一度、トリマーさんにお家に来ていただいてシャンプーをおねがいしたのですが、あまりに嫌がったのでそのまま帰って頂きました。シャンプーはした方がいいですか?

嫌がる場合は無理にしない方が良いと思います。

結果論ですが、やってみて毛玉嘔吐が減ったり、体調が良くなる場合はやった方が良いと思います。
そうでなければリスクもあるので強くはおすすめしないです🙇🏻‍♂️

もし嫌がる猫にシャンプーしたい場合は「脱感作」という手続きが必要です。
要はゆっくり、少しずつ慣れさせていくというイメージです。
この脱感作が上手にできればイルカやホッキョクグマが採血で針を刺しても動かずにいてくれるようになるので、猫でもできるかと😊

2歳4ヶ月のオス去勢済の猫です。1歳前で病院で歯茎が赤いと指摘されました。ウェットフードが好みで予防の為ネットでtopetというご飯にかけるふりかけを購入し口の中は綺麗ですが、口腔ケアの仕方として良いでしょうか?

結論、口腔ケアとしてサプリを使うのは良いと思います。
topetお口のふりかけを使ったことがないので効果までは分かりませんが、プレバイオティクス+プロバイオティクスなので、セオリー通りのサプリかと😊
グリニースなどのVOHC認定商品で物理的に歯垢を落とせたらさらにベターです👍

飲水に浄水や、クリアフローを使ってますが、一匹は瞬間湯沸かし器のぬるま湯が好きで、若干中硬水かもです。加温ボウルは他の2匹が飲むせいか口をつけません。クリアフロー温めタイプで軟水の方が、長期的に猫に良いですか?

結論、飲んでくれるならどっちでも良いと思います。

水を飲むか、飲まないかが大事ですし、水の温度や種類で健康状態が変わるというエビデンスはみたことがありません。
理屈上は温かくてミネラルの少ない軟水の方が良さそうですけどね。

ちなみに「犬と猫の栄養学」という本では軟水が推奨されています💧

ウェット100%の食事ダイエット中の
6.2kgデブな6歳のメンズくんです。
一般食100%はバランス悪いですよね?
好みのウェットの総合栄養食が見つからず…
一般食にドライをプラスであげるとしたら
どのくらいの比率で与えたら良いでしょうか?

結論、一般食100%はバランスが悪いです。
カロリーベースで8割以上を総合栄養食にするのが無難ですが、分かった上で一般食の比率を上げるのはありだと思います。

例えば、400kcal/100gのカリカリと50kcal/100gの一般食ウエットの組み合わせの場合、カリカリの2倍量のウエットをあげたらちょうど総合栄養食のカロリー比率が8割ですね🙆🏻‍♂️

本音を言うと、多少一般食の比率がオーバーするのは問題ないと思っていますが🤫

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この記事を書いた人

猫好きの獣医師です。野生動物の診療、動物病院の勤務、研究職を経て、今はフリーランス獣医師です。主に犬と猫の食事の情報を発信します。世間には誤った知識が多く(古い知識がまだ当たり前になっていて)、栄養学にうとい獣医師も少なくありません。微力ながら犬と猫の命を救う手助けができれば幸いです。

コメント

コメント一覧 (3件)

  • ドライペットフードは、全て高温で加熱されているのでアクリルアミドが大量に発生します。
    猫は、タンパク質5、脂肪2、野菜2、炭水化物1
    の割合がいいと思うのですが、どう思いますか?
    素材はできれば、ほたれいわしなど、小型で料理しやすい全体食が理想ですが、毎日同一の食材ではなく、いろいろな食材のタンパク質がいいと思います。
    タンパク質は全てカタチが違うし。

    ペットフードは、超加工食品です。
    ペットフード用の食材は、人用には許可されない食材(部)が当たられています。
    癌が発症するまでには年数がかかるから、寿命の長い人間用には使えないが、寿命の短い犬猫であれば食材として使える、という考え方で、BSE危険部位でも使われています。
    膿やがん細胞も含まれます。

    1回の食事でパーフェクトにならなくても、3食くらいで全ての栄養バランスが摂れれば🆗だと思います。
    人でもそうだし。

    猫が本当に元気で長生きできる手作り食についての研究を期待して、心待ちにしています。

  • くぅ先生、ご回答ありがとうございます。
    やはり、結晶無しという結果だけでも素晴らしいことですよね。そのお言葉だけで嬉しいです。
    ちなみに、ストルバイト+シュウ酸カルシウムのダブルパンチだったのはハンナのほうでして、デンタルバイオも毎晩1錠ずつ粉にしてカリカリに振りかけてるんですが、ハンナの結果は異常無しで大復活です!
    ストルバイトだけ出ていたモアナのほうが8月末に結晶無しなのに潜血反応が出て、今回も結果変わらずだったので、膀胱からの出血ではなくて腎臓からの出血でないかをエコーで確認するようなのですが、何事もない事を祈るばかりです。
    その後もふたりとも毎日美味しそうにウエットとドライフードを食べてくれるのが何より嬉しいです。

  • cyaboさん
    「タンパク質5、脂肪2、野菜2、炭水化物1」は良い配分だと思います。
    ちなみに、私が過去に受講した講座では「肉:ごはん:野菜=8:1:1」と習いました。

    残念ながら手作り食は科学的には超否定されているのですが、水分をしっかり摂れますし、使い方によっては優れた食事になると思います。
    いつか科学の風向きが変わると良いですね。

    もなはなさん
    モアナ様の方でしたか!ハンナ様は文字通り大復活ですね。素晴らしい✨
    エコー検査が何事もないことを私も祈っています👍

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