
世の中には、説明すると30秒くらいかかるコトが専門用語一言で片付くコトがあります。
時間がない動物病院の獣医師はそういうワードを使える飼い主さんが大好き。もちろん、知ったかぶりは逆に警戒されますが、知識が深かったり、獣医師やスタッフに気遣いのできる飼い主さんにはいつも以上の診療をしようとするもの。人間ですからね。
今日の本題は「悪液質」です。
人間の医療でも使われるワードなのでご存知の方もいるかもしれませんが、今日はこれを解説します。
先生、うちの子はこのままだと悪液質になりそうですか?
先生、悪液質の予防におすすめはありますか?
という質問ができると、主治医も「よく勉強されている飼い主さんだな〜」と驚きつつ「まだ大丈夫」や「じゃあ、これをやってみようか」などと返してくれると思います。
悪液質とは

簡単にいうと、もう頑張れない状態です。
体重が減り、脂肪だけではなく筋肉もどんどん減っていきます。食欲は落ち、元気も無くなり、毛並みも悪くなります。
悪液質になる可能性のある病気
・腎臓病
・心臓病
・がん
実は、こういう病気が進行した状態では、病気ではなく悪液質のせいで命を落とすコトも多いです。なぜなら、もう身体が白旗を上げ、治療を受け付けないからです。治療効果が減り、薬の副作用は増えます。
がん治療の基本は「体重を減らさないコト」ですし、タンパク質制限が推奨されている慢性腎臓病でも、ステージ4だと「なんでも良いから食べて」という方針に変わることはご存知な方が多いと思いますが、これは悪液質の予防でもあります。
悪液質の予防法
①病気にならないコト
1番大事なのは食事です。「医食同源」という言葉があるように、日々の食事にしっかり投資することで、病気のリスクを下げることができます。
私のYouTubeと過去コラムに全て目を通していただけたらある程度はクリアできると思いますが、これからも情報発信していきます😊
②早期発見・早期治療
自宅・動物病院での定期的な健康チェックです。
このコラムを読んでくださっているみなさんなら問題ないと思います👍
③悪液質を意識しておく
病気が進行したときに「悪液質になったら困るからコレをしておこう」みたいに、頭の片隅に置いておくことです。神経質になる必要はありませんが、意識しておくだけで、たとえ慢性腎臓病のような「不治の病」でものらりくらりと長期的な管理がしやすくなります。
くぅちゃんもそろそろ慢性腎臓病との戦いが始まりそうなので、意識していきたいと思います😺

まとめ
悪液質について解説しましたがいかがだったでしょうか?
実は人間も同じで、がん患者では悪液質が直接の死因になるコトもかなり多いそうです。
そして、この話題が出るときはそれなりに深刻な状況だと思いますので、少しでも主治医との会話をスムーズにするためにも使えるワードになります。
少々ネガティブな話題になってしまいましたが、いつか役に立つ知識だと思いますので、ぜひ覚えておいてくださいませ👌
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