良質なタンパク質はコレ!(2022年8月14日)

第1回は「良質なタンパク質」について

よく「ペットに良質なタンパク質を与えましょう」って聞きますが、良質って何?と疑問に思う方も多いと思います。
結論から言うと、良質なタンパク質=動物性タンパク質なんですが、タンパク質の「質」の指標は2つあります。
それが「アミノ酸スコア」と「生物価」です。
アミノ酸スコアの方が有名なので、今回はこっちのお話だけしますね。
タンパク質はアミノ酸が集まって出来ています。 アミノ酸のうち、食事から摂る必要のあるアミノ酸を「必須アミノ酸」と言います。逆に、それ以外のアミノ酸は体の中で作ることが出来ます。 あくまで人間の基準ですが、食事に含まれる必須アミノ酸のバランスを数値化したのがアミノ酸スコアです。

必須アミノ酸のうち、1番少ないモノを第一制限アミノ酸といい、画像にある小麦粉は第一制限アミノ酸となるリジンのせいでアミノ酸スコアが44となります。
つまり、小麦タンパクは質が低いです。
一方、卵はバランスが素晴らしいのでアミノ酸スコアは100となります。

アミノ酸スコアのイメージはよく画像のように桶(おけ)に例えられ、「桶理論」なんて呼ばれたりします。 良質なタンパク質だと桶から水がこぼれないイメージですね。食材のアミノ酸スコアと生物価はこんな感じ👍

・卵  100(生物価94)
・牛乳 100(生物価90)
・鶏肉 100(生物価74)
・牛肉 100(生物価74)
・魚  100(生物価76)
・木綿豆腐82(生物価64)
・精白米65(生物価67)
・じゃがいも50(生物価71)
・小麦粉44(生物価41)

卵、スゴイですね✨
ただ、卵はアレルギーになりやすいです。 何事も利点と欠点があるものです😊

これはあくまで人間の情報ですが、犬と猫にも参考になると思います。人間の必須アミノ酸は9つですが 犬は人間より1つ、猫は人間より2つ必須アミノ酸が多いです。
特に猫の必須アミノ酸のタウリンは植物にはほぼ入っていません。 なので、彼らにとっての良質なタンパク質は人間より動物性の食材に偏ると思います。

質の高いタンパク質は、 消化吸収率が良く、少ない量で必要量を得ることが出来ます。
すると、アンモニアの産生量が減る、未消化物が減って腸内環境が良くなるなどの嬉しい効果があります😊

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この記事を書いた人

猫好きの獣医師です。野生動物の診療、動物病院の勤務、研究職を経て、今はフリーランス獣医師です。主に犬と猫の食事の情報を発信します。世間には誤った知識が多く(古い知識がまだ当たり前になっていて)、栄養学にうとい獣医師も少なくありません。微力ながら犬と猫の命を救う手助けができれば幸いです。

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