【限定】犬の紆余曲折(2023年11月3日)

こんにちは☀️
今日は犬の歴史を少し視座を高くして振り返ります🐶

犬は最初から人間の友だったので、猫と違ってほとんど迫害されたりしていません。
さすがですよね!

犬は世界で一番最初に家畜化(ペット化)された動物で、現状、4万年〜1万5000年前のどこかで狼から犬が誕生したと言われています。

4万年前〜現代の犬の歩みを退屈しないよう要点を絞って解説しますので是非最後までお読みください🐕

目次

家畜化(4万年前)

犬の家畜化には2つの説があります。

①4万年前に狩猟採集民族が狼を飼い慣らして犬が誕生。狩猟や警備を手伝わせる。
②1万年前に農耕民族が狼を飼い慣らして犬が誕生。

現状、①が有力です。
ただ、犬は最初から糖質の消化が狼より上手なので、②の可能性もあります。少なくとも穀物の栽培を機に家畜化がブーストされたのは間違いないかと!

実は犬の誕生の詳細はまだ分かっていません。
祖先は、ユーラシア大陸〜アメリカ大陸に広く分布するタイリクオオカミで間違いないとのこと。
DNAも99.9%一致しますしね🐶

迫害された犬&狼(1800年代)

犬は猫と違って人間に従順なので、氷河期に人間とともにアメリカ大陸に移住していきました。その人たちがいわゆるアメリカ大陸の原住民です。
ところが、ある時期を境に、アメリカ大陸の犬は絶滅しています。

そう、アメリカを「新大陸」と呼んでヨーロッパから移住してきた白人とその犬に淘汰されたようです。

さらに、1800年代のアメリカでは狼が家畜を襲う「脅威」として大量に殺され、絶滅寸前になりました。
現在では、アメリカのイエローストーン国立公園やアイダホ州で保護されているようです🐺

そういえば、イソップ童話の「嘘をつく子供」しかり、グリム童話の「赤ずきんちゃん」しかり、狼はいつも損な役回りが目立ちます🐺
現実世界では絶滅寸前まで殺されて。。なんだかな〜という感じですね。
本当に悪い奴なら、あんな精悍な顔つきはできないはずです👍

犬種の誕生

実はイヌ科動物の「社交性」と「身体の変化」には関連があることが研究により示唆されています。
つまり、社交性な狼が犬になりましたが、同時に社交性のある狼は元々、色や体型が変化しやすい素質を持っているということです。

実際、数百頭のキツネの中から社交的な子を選び、その子同士を交配させると、キツネたちはどんどん人懐っこくなり、耳が垂れ、尾が巻き上がり、毛の模様はマダラ模様になったりしていきます。

まさに、狼から犬への進化と同じですよね。

(参考:イヌ全史)

そして家畜化された犬は様々な体型・体色に変化し、1800年代後半には現代の犬種の多くが誕生し、固定されました。
当時のイギリスのビクトリア女王はダックスフンドやコリー、パグなどと暮らしていたそうです🐶

そして同じく1800年代にドッグフードが誕生しました。
もうすでに犬は多くの人に愛されていたので、それがビジネスチャンスになることは当然の流れですね。

ちなみに、一番最初のドッグフードはイギリスでビスケットを食べる野良犬を見た商人が開発しました。
のっけから小麦粉ですね(笑)

未来

一部、迫害やもっと古くは生贄(いけにえ)に捧げられはしたものの、猫と違って「火炙り」「塔から投げられる」「夜に出会うと問答無用で殺される」等の理不尽な仕打ちを人間からされることもなく順調に生きてきたことが分かりました。

現在、犬と猫は決して絶滅することのない、地球で最も成功した動物になりました。

そして、この先に犬がかかえる問題は2つです。

1つ目は生活習慣病です。
これは言うまでもなく、糖質・カロリー過多の食生活と運動不足が原因です。

食事に関しては私の動画や公式LINEでみなさんのサポートができたらと思います😊

2つ目は遺伝疾患です。
いわゆる犬種特有の病気です。
例えば、ゴールデンレトリバーの腫瘍やポメラニアンのアロぺシアXなど💡

もうすでに犬種特有の病気は多々ありますが、近親交配を続け、このまま「見た目」だけを重視して純粋犬種を維持していくとさらに遺伝的多様性が失われ、遺伝病が増えていく可能性はとても高いです。

個人的には、いずれ全ての犬種で「健康か?見た目か?」の選択に迫られる時期が来ると思います。あるいは、すでに来ているかもしれません。
現在の犬種は第二次世界大戦で絶滅寸前まで数を減らし、ごくわずかな種親から数を復活させたパターンも多いです。
例えば、1940年代に復活したポーチュギーズ・ウォーター・ドッグの種親は実質5頭だそうです。

一方、間違いなく雑種犬は強いです。
なので、経緯はどうあれ「チワックス」「マルプー」などのMIX犬が流行ることに私は大賛成です。

今後はMIX犬がもっと世間から受け入れられていき、純粋犬種の中でももっと遺伝的多様性が重視されていく世の中になっていったら良いですね😊

参考書籍

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この記事を書いた人

猫好きの獣医師です。野生動物の診療、動物病院の勤務、研究職を経て、今はフリーランス獣医師です。主に犬と猫の食事の情報を発信します。世間には誤った知識が多く(古い知識がまだ当たり前になっていて)、栄養学にうとい獣医師も少なくありません。微力ながら犬と猫の命を救う手助けができれば幸いです。

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